3番目の落書き帳

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 身体を縛る―原則禁止を広げるには(朝日社説)

<<   作成日時 : 2008/09/29 07:13   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

 下に貼り付けた記事は、患者の拘束についての判決について書いたものである。判決が下ったのが今月の五日、であり、この記事が28日付けだから、だいぶ日が経っている。他に社説のネタがなかったのかもしれない。まあ、「暇ネタ」でもなんでも、医療関係の問題が社説に取り上げられるのは悪い話ではないが。

 社説にもあるように「本人の同意なしに患者を縛るのは違法」というのを朝日社説も支持している。まあ、私もそれ自体に関しては反対ではない。しかし、拘束を最低限にした医療(とりわけ夜間)を施すには、それ相応のマンパワーが必要となる。つまり人手が必要である。

 しかし、この社説の最後の方に書いてあるとおり、医療費の抑制が続く中では、人手を増やすのには財政的なリスクが伴う。いくら「患者にとってより望ましい医療」が実現されても、経営が成り立たなくてはどうしようもない。

 このような実態を踏まえて、朝日の記事は最後に
人手がかかるこの試みは、残念ながら広がらない。医療費の抑制が続くなかで病院の持ち出しが増えるからだ。必要な人手が確保できなければ患者は守れない。高裁判決が突きつけたのは、日本の貧しい医療の現実だ。
としめくくっている。これについても私は賛成だ。しかし、こういう指摘で締めくくれるのも、朝日が医療機関ではなく言論機関であるから。現場に携わっている人に、この朝日の「良心的な記事」はあまり助けになりそうにない。朝日は報道機関であり、言論機関なのだから、もう少し踏み込んだ提言をしてもいいとおもうのだが。 人気ブログランキングへ

身体を縛る―原則禁止を広げるには(朝日社説:9月28日付)
本人の同意なしに患者を縛るのは、病院といえどもやはり違法――。名古屋高裁が今月5日、判決を出した。

 愛知県一宮市の病院に入院していた女性患者が、必要もないのに体を拘束されたとして、病院を相手取って損害賠償を求めた控訴審判決は明快だった。高裁は病院に70万円の支払いを命じ、原告側が逆転で勝訴した。

 判決によると、事件が起きたのは03年11月の夜のことだ。圧迫骨折で入院した当時80歳の患者が、看護師にひもの付いたミトン(手袋)で左右の手をそれぞれ覆われ、ひもでベッドのさくに固定された。腰が痛くて上を向いて寝られない患者はミトンをはずそうともがき、手と唇に軽いけがをした。

 患者は看護師を呼ぶナースコールを何度も押して、汚れていないおむつの交換を要求したり、車いすで看護師詰め所に来たりした。患者の意識が混濁し、転ぶおそれがあるので拘束が必要だったというのが病院側の言い分だ。一審判決は病院側の主張を認めて原告の請求を退けた。

 たしかに、病院は介護施設とちがって命にかかわるような患者も少なくない。人工呼吸器や点滴を患者がはずしてしまうようなことは防がなくてはならない。入居者を拘束することが旧厚生省令で原則として禁止されている介護施設と同列には扱えないだろう。

 しかし、拘束が必要かどうかは介護の世界で使われている三つの条件に照らして判断すべきだ、と高裁は指摘した。(1)患者に切迫した危険が迫っている(2)ほかに手だてがない(3)長くは続けず一時的。この三つである。

 この判断はバランスがとれており、病院も受け入れられるのではないか。

 訴えを起こした患者はこれらの条件に当てはまらなかった。自分でトイレに行ける患者には、おむつではなくトイレに付き添い、看護師が寄り添って不満や不安に耳を傾ければ患者も落ち着けたのではないか。

 介護施設では縛らない介護が少しずつ進んでいる。病院でも安易な拘束がまかり通っていないか、見直してほしい。病に苦しんでいる人がさらに苦しい目にあうことがないよう最大限の配慮をしてもらいたい。

 「老人に自由と誇りと安らぎを」と福岡県の10病院が抑制廃止福岡宣言をしたのは10年前だ。中心になった有吉病院では、おむつをやめて患者をトイレに誘導し、鼻からの栄養補給をやめて口から食べてもらう努力をした。生活の質が上がると、患者の「問題行動」が減り、縛る必要がなくなった。

 人手がかかるこの試みは、残念ながら広がらない。医療費の抑制が続くなかで病院の持ち出しが増えるからだ。必要な人手が確保できなければ患者は守れない。高裁判決が突きつけたのは、日本の貧しい医療の現実だ。




医療依存度の高い高齢者のケア
日総研出版

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ



後期高齢者医療制度と医療費「適正化」戦略
自治体研究社
篠崎 次男

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 新聞社も自分のところで付属病院を経営してみれば良いと思います。そうしたら「自分が言っていること」が正しいかどうかすぐ検証できますから。
 少なくとも、厚労省と保健所と医療機能評価機構がばらばらに違うことを要求してくることの理不尽さくらい、1秒で理解できることでしょう。

 私は身体抑制は嫌いですが、たとえ嫌いなことでも「安全のため」を優先させなきゃいけない場合がある、と言い訳をしておきます。
おかだ
URL
2008/09/29 22:28
>>厚労省と保健所と医療機能評価機構がばらばらに違うことを要求してくること

へえ、知らなかった。出前が重なるのとは比べ物にならないくらいに困ったことですね。
3番目の落書き
2008/09/30 00:12

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
12月・1月の本
  ハーバード式医療改革

あらゆる病気は治らない
日本の医療は変えられる
日経プレミア 不思議な経済大国 中国
身体を縛る―原則禁止を広げるには(朝日社説) 3番目の落書き帳/BIGLOBEウェブリブログ