この出来事で、「麻酔医」の知名度が上がればいいんだけど。
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作成日時 : 2008/04/03 05:50
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国立がんセンター:麻酔医が相次ぎ退職 手術にも支障(毎日)の記事を下に貼り付ける。「麻酔医?手術前に注射をするだけだろ?」なんて思っている一部日本人(「一部」じゃないかもしれないけど)にとっては信じられないようなニュースだろう。麻酔医が減るということは、可能な外科手術の件数が減るということなのだ。それをほんとにわかっている一般的日本人はあんまりいないだろうなあ。こんなことを書いている私からして、つい数ヶ月前までは「麻酔の専門医」なんてものの存在すら知らなかったもの。
下の記事によれば、国立がんセンター中央病院の常勤麻酔医が減った原因は「より待遇の良い病院への転籍」らしい。人によっては「医師たるもの勤務待遇で場所を変わるとはけしからん」なんて言う向きもあろうかと思うが、少なくとも私にとって、医師というものは一つの専門職、スペシャリスト。身につけている専門技能が高くて、しかも自身がその専門職に身を捧げているのであれば、待遇(給料という意味にとどまらない)のよさを求めるのは不思議でもなんでもない。「石を投げれば麻酔医にあたる」くらいの状況であれば、話は別だろうが。
むしろ、こういう「不足状況」「不足感」が全国に少しでも広まるということは、世間の関心を高める上で非常にいいことだ。物事を解決・改善するのに一番の障害は「反対」だけでなく「無関心」。もっとも、いくら国民の間で関心が高まっても、永田町での関心が高まらないと困るのだが。
(今回の一冊)
誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実 (新書y 180)
国立がんセンター:麻酔医が相次ぎ退職 手術にも支障(毎日)
国立がんセンター中央病院(東京都中央区、土屋了介院長、病床数600)で、10人いた常勤麻酔医のうち5人が昨年末から先月までに相次いで退職し、1日の手術件数が2割減る異常事態になった。より待遇の良い病院への転籍などが退職理由で、「がん制圧のための中核機関」を理念に掲げる日本のがん治療の“総本山”に、全国的な医師不足が波及した形だ。【須田桃子】
がんセンター中央病院は常勤医師約150人、1日当たりの外来患者約1000人と、国内でも最大級のがん治療専門施設。これまでは、1日当たり約20件の外科手術をしてきたが、術中の麻酔管理を担当する麻酔科医が半減したことで、3月末から1日約15件しかできなくなった。
手術までの待ち時間も今後、長引くことが予想されるため、特に急ぐ必要のある病状の患者に対しては、都内や患者の自宅周辺の病院の紹介を始めた。院内にも、麻酔医の不足を知らせるお知らせを掲示し、患者に理解を求めている。
関連学会や各地の病院を通じ、麻酔医確保を図っているが、「すぐには解決のめどがついていない」(土屋院長)のが実情だ。
土屋院長によると、退職の主な理由は、待遇の良い民間病院や都立・県立病院への転籍だ。同病院の職員は国家公務員で、30代の中堅医師の場合、給与は年間700〜800万円程度。一方、都立や県立病院は1000万円台、民間病院なら1000万円半ばから数千万円になるという。
日本麻酔科学会が05年にまとめた提言によると、日本では約4000施設で全身麻酔が実施されているが、同学会の会員が常勤でいる病院は約半分にとどまる。手術中の患者の麻酔管理に加え、患者の痛みを除く「ペインクリニック」や「緩和ケア」などに麻酔科医の担当領域が広がっており、全国的な需要も高まっている。
がんセンター中央病院も、「緩和ケア」研修を09年度から全研修医に義務付けることを決めたばかりだった。
土屋院長は「中央病院は、医師が勉強する環境は十分整っているが給料は並以下で、施設の努力で確保するには限界がある。医師の絶対数を増やす政策が不可欠だ」と話す。
乳がん患者団体「ブーゲンビリア」の内田絵子理事長は「国立がんセンターは全国の患者の精神的なよりどころでもあり、医師不足で手術件数が減ることは、全国の患者にとって不安を駆り立てられる話だ。麻酔医不足は、緩和ケアの充実にも悪影響を及ぼす」と懸念する。
▽医師不足問題に詳しい本田宏・医療制度研究会副理事長の話 がん患者にとって最後のとりでとも言える国立がんセンターにまで医師不足の波が押し寄せた。大変憂えるべき状況で、医療崩壊が日本に起こりつつあるというサインだ。
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