3番目の落書き帳

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help リーダーに追加 RSS 声の網(星新一)

<<   作成日時 : 2007/07/31 15:31   >>

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 こんにちは。このブログは以前は「硬派のニュースブログ」でしたが、その座は「2代目」にゆずって、日々思うことや、読書感想を書くブログにしたいと思います。それでは、よろしくお願いします。

今回は声の網星新一 作、角川文庫)と言う本について。

 Bookoffの105円コーナーで見つけて買いました。星新一は昔好きだったので、内容を確かめずに買いました。帰りの電車で読み始めると、この作品が短編集ではないことに少しびっくり。星新一の長編は少ないですからね。あと、人の呼称が「エヌ氏」のような漠然とした感じではなく、「洋二」や「黒田」のような固有名詞になっているところも(他の作者の作品では当たり前なんだけど)、かえって新鮮な感じがしました。

 ある商店を経営している老人のところに電話が入る「間もなくお前のところに強盗が来る」そして実際、強盗はやってきた。なぜ?

 ある男のところに電話が入ってきた。電話をかけてきた側は、男の旧悪を知っていた。

 ある女のところに電話が入ってきた。その女がこないだ浮気をしたのを知っていた。電話をかけてきたのが誰なのか、誰にもわからない。ただ言えることは、電話をかけてきたその「男」は、あらゆる情報を得ている。そして、必要なときにはその情報を武器に、人々の行動をコントロールする。だが、決して人々を破滅に追い込むことはない。

 一部の人々が、その「存在」に気づき、その存在を覆そうとするが、失敗に終わる。それでも、その「存在」は、人々を破滅にまでは至らしめない。満足とはいえないが、平穏な暮らしを人間に提供する。 

 あるとき、人間の社会がより平穏になっていったそのとき、老人はあることを思い立つ。この「存在」はひょっとして「神」なのではなかろうか、と。老人は電話の応答サービスに「神は本当にあるのでしょうか?」と尋ねる。すると電話は・・・

 という話です。伝達手段が電話という時代の小説です。1970年代に書かれたのですね。30年以上前に書かれたとは思えない新鮮さを感じます。実際の我々の社会がこのように「成熟」するとは考えにくいですが・・・

 他のSF作家なら、この小説の終わりの部分を出発点にして作品を作っていくかもしれません。たとえばフィリップ・ディックみたいな作家なら。この得体の知れない「存在」が人々を守りコントロールするその社会。それに対して主人公は・・・なんて話、ディックならそんな風に作っていくかもしれない。材料が一緒でも、作者次第で料理法が変わるかもしれない。そこがまた興味深いところです。
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星新一『声の網』を思いだした
昨日録音していたラジオ番組「NHK-FM:トーキング・ウィズ・松尾堂」を聞き返し ...続きを見る
blog“オトナ”の手帳
2007/07/31 23:32
「声の網」
TRありがとうございました。 ...続きを見る
のこのこ
2007/08/06 14:14

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